捨てる前に
中身を確認する
ビデオテープは時間とともに劣化し、再生機自体も入手しにくくなっています。先送りにできない種類の作業です。
実家の片付けで出てくる、押入れのビデオテープ。「あとで見よう」で置いたまま、再生できなくなるのが最も多い結末です。
劣化の進み方
2つの時計が同時に動いている
①テープ自体の劣化。磁気の減衰、カビ、テープの伸び・粘着。保管環境が悪いほど早く進みます。
②再生機の減少。ビデオデッキの生産は終了しており、修理できる業者も減っています。再生できる環境がなくなれば、テープが無事でも中身は取り出せません。
つまり「テープが無事なうちに」ではなく「再生できるうちに」が期限です。この点が見落とされます。
とくに高温多湿の場所(押入れ、物置、屋根裏)に置かれていたものはカビのリスクが高く、再生するとヘッドを傷めることがあります。見た目に白い粉やカビがある場合は、自分で再生しないでください。
メディアの種類
実家から出てくる主なものは次のとおりです。
・VHS・S-VHS(家庭用の主流。本数が多い)
・8ミリビデオ・Hi8・Digital8(ハンディカメラ用。再生機が特に少ない)
・miniDV(比較的新しいが、機器は減っています)
・8ミリフィルム・16ミリフィルム(さらに古い世代。専門の設備が必要)
・カセットテープ・オープンリール(音声)
・写真・ネガ・スライド
・CD-R・DVD-R(記録型のディスクも劣化します。「デジタルだから安心」ではありません)
最後の項目は誤解されがちです。記録型ディスクは経年で読み取れなくなることがあります。過去にDVDに焼いたものも、確認の対象です。
自分でやる範囲
できること:写真をスキャンする、再生機があるテープを自分で取り込む、内容を確認して優先順位をつける。
やらないほうがよいこと:
・カビが見えるテープを再生する(機器を傷め、テープも痛みます)
・粘着している・巻きが緩んでいるテープを無理に回す
・フィルムを自力でスキャンする(傷がつくと戻りません)
現実的な分担は、「本数が少なく、状態が良く、再生機がある」ものは自分で。それ以外は業者へ。です。
そして最初にやるべきは仕分けです。全部を作業対象にすると、量に負けて止まります。
業者に頼む範囲
本数が多い、種類が混ざっている、状態が悪い。この場合は業者のほうが確実です。
確認する項目:
・対応しているメディアの種類(8ミリやフィルムは対応が分かれます)
・1本あたりの料金と、最低本数
・納期(繁忙期は長くなります)
・納品形式(DVD/データ/両方)
・テープの返却の有無
・再生できなかった場合の扱い(料金が発生するか)
・データの取り扱い(作業後に消去されるか)
最後の2つは特に確認してください。状態が悪いテープは「再生不可」になることがあります。その場合の費用の扱いを、申し込む前に確認しておくとトラブルになりません。
対応メディアと料金・納期を確認する
対応できるメディアの種類や納期は業者により異なります。公式サイトでご確認ください。
- 料金・納期は公式サイトの公表値です
- テープの状態により結果は異なります
- 見積もりは無料
保存の仕方
デジタル化して終わりではありません。データも壊れます。
原則:同じデータを2か所以上に置く。
・手元の記憶装置(外付けドライブなど)
・もう1か所(別のドライブ、またはクラウド)
・DVDだけで持たない。記録型ディスクは経年劣化します
・年に1回、開けるか確認する。壊れていることに気づくのは、たいてい必要になったときです
そして家族が場所を知っていること。本人しか知らない保存先は、いずれ失われます。